みりんを水槽に添加する事で、飼育水中の硝酸を除去する事が出来るというのは半ば常識となっていて、実践されている方が多くいらっしゃるんだけど、どうにも自分の水槽に適切な添加量というのがわからんのです。
そこで、化学的なアプローチでもってみりん添加量を求めてみるんだけど、ちょっと考えただけでというか、考えようとするだけで脳がキューッとなる。脳の血管が収縮して「止めろそれ以上考えるな」と身体が訴えてくる。自己防衛反応だろう。
それでも何とか自分を奮い立たせ、導き出した答えがコレっていうメモ
硝酸塩の約2倍のみりんが必要
みりんの成分をアルコール14度・グルコース(ブドウ糖)50%として計算したので、まあ誤差はあるんだけど。っていうか銘柄によって炭水化物量が違うのでミツカン本みりんを参考にした。
それに脱窒以外での生物活動で30%ほど余計に消費されるので計算に含めた。
体感と大きな乖離はないので、概ね合ってはいるんだろうと思う。
硝酸呼吸の反応
2NO3–+5H2→N2+2OH–+4H2O
エタノールの化学式
C2H5OH
グルコースの化学式
C6H12O6
単純に、硝酸呼吸に必要なだけの水素を含有するみりんの質量を求め、それに余剰分30%を加えると、硝酸塩の質量の約2倍という事になった。
一旦忘れて後に思い出したときに見直してみよう
水処理関係の書物を端折って読んだんだけど、従属栄養細菌の為の炭素源というか水素供与体は水中の有機物によってある程度満たされるが、反応促進のためには添加の必要があるようだ。下水処理場ではコスパからメタノールが使われるらしい。
みりん添加量の求め方
飼育水中の硝酸塩NO3–の2倍のみりんを添加するのが基本となる。
例:飼育水50l、硝酸塩NO3–濃度20mg/lの場合、50×20×2=2000、みりんは密度約1.2なので2000mg=約1.7ml
具体的な添加方法はケースバイケースで正解はないかもしれないけど、一週間で硝酸塩NO3–が20mg/l蓄積する水槽なら毎日0.24ml、あるいは隔日で0.5mlだとか色々考えられる。
硝酸塩NO3–は水槽内で日々発生しているが、給餌量から発生しうる硝酸塩NO3–の量がだいたい計算できるので、添加量を調整する際の参考になるんじゃないかな。
給餌量(g)×蛋白質量(%)×0.7=硝酸塩(g)
例:蛋白質40%の餌を毎日0.5gずつ一週間与えた場合
0.5(1日あたりの給餌量)×7(日)×0.4(蛋白質)×0.7=0.98
980mg÷水量(l)=硝酸塩濃度
※上記計算式の「0.7」とは窒素タンパク質窒素換算係数6.25(16%)と、窒素が全て硝酸となると約4.4倍の質量になることをガッチャンコした係数ってメモっておかないとわけわからん
当然ながら給餌から硝酸塩の蓄積には時間差があるので留意する必要がある。
自分は面倒くさがりなんで、不定期な硝酸塩測定の際に基本の量を添加するようにしてる。増加傾向があるなら少し増やすとかしながら。
生物相手なので、そう簡単には思い通りにはならない事を踏まえつつね。
みりんの添加効果がある水槽ない水槽
いっぱい餌をあげている割には硝酸塩NO3–の蓄積がゆっくりという水槽、言い換えれば、何か知らんけど微妙に脱窒されてる気がする水槽では、みりん添加の効果が実感できるはず。
水換えしなきゃヤバい硝酸塩NO3–濃度を常にキープするような水槽で、水換えをサボりたいという理由でみりんを添加してもおそらく良い事は起きない(体験済み)
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