フィッシュレスサイクリング法で金魚水槽を立ち上げる(構想)

フィッシュレスサイクリング法とは

いくらでもインターネッツ上に情報があるけど、生体を迎える前にアンモニアを人為的に添加して、アンモニア(毒)→亜硝酸(毒)→硝酸塩(コケの肥料)という硝化サイクルを作る事をフィッシュレスサイクリング法というらしい。

パイロットフィッシュと呼ばれる特攻隊に頼らず水槽を立ち上げて、買ってきた魚をドボン(水合わせは必要だけど)しても安全に飼育出来るってヤツだ。

どんだけの水槽でどんだけの魚を飼うのか

とりあえず60cm規格水槽で、たくさんの金魚を飼いたい。

ペットショップで売られている琉金型の金魚は体長6センチ程度の個体で精々7グラム程度。

7グラムほどの可愛らしいヤツを10匹ほど飼うこととする。大きくなったら水槽を大きくするだけだ。

給餌量とアンモニア・亜硝酸との関係

水槽飼育下における金魚の適切な給餌量は、体重の1.5%/日と相場が決まっている。世界の神畑養魚(キョーリン)が言うのだから確実だ。

飼おうとする金魚の総体重と給餌量から、飼育中に発生するアンモニア最大量を計算してみる。

飼料はキョーリン咲ひかり金魚育成用沈下、保証される蛋白質は45%以上なので50%として計算する。観賞魚用飼料はだいたいどれもこんなもんだべ。

70グラムの金魚に適切な給餌量は70*0.015=1.05グラム(思いのほか少ない)、1.05gの半分である525mgの蛋白質のうち16%(窒素蛋白質換算係数6.25)が窒素なので70*0.015*0.5*0.16=0.084、84mgの窒素が含まれるという事になる。

84mgの窒素を含む蛋白質が分解されるとアンモニア/アンモニウム(NH3/NH4+)約100mgが発生する。

アンモニアはpH7以下の水中では主に無害なアンモニウムとして存在するので、弱酸性での飼育下では大きな問題となることはないが、その酸化生成物である亜硝酸がヤバい。

100mgのアンモニア/アンモニウム(NH3/NH4+)が全て硝化され亜硝酸になるとすれば約270mgにもなり、60cm水槽の水量では約5mg/l(安全値0.3mg/l以下諸説あり)というヤバい濃度になってしまう。アンモニア酸化細菌の増殖スピードは亜硝酸酸化細菌の半分程度と遅めらしく(アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌の増殖至適pHが違うのでそうなるようだ)亜硝酸増える→水換え→亜硝酸増える→水換え→の亜硝酸地獄が訪れる。濾過が完全には立ち上がっていない水槽に多くの生き物を入れるヤバさの正体がコレなんだな。

久々に原子量とか思い出して計算したわ。化学って面白いね。というか窒素循環ってすごいね。

計算が合っているのかは知らんけど。

アンモニア源

アンモニア源として蛋白質を多く含む金魚の餌や刺身などをブチ込む方法があるけど、カビたり腐敗したりして水を汚すのは気分が良くないので日局アンモニア水を使おう。

アンモニア水の添加量

アンモニア水の添加量はアンモニア処理能力から逆算した。

適切な給餌量を守った際に発生しうるアンモニア量は約100mg/日であることがわかったので、十分な余裕を持って300mg/日のアンモニアを処理することを目指す。

日局アンモニア水のアンモニア濃度は10w/v%、アンモニア水1mlあたり約95mgのアンモニアが含まれているので、60cm規格水槽の場合は3.15ml/日の添加量となる。めんどくせえから3ml/日で良いわ。数回に分けて添加するのがベストだろう。

水槽内のアンモニア濃度は約5mg/lという事になるけど、どこかで見たフィッシュレス法での濃度とほぼ同じだった。給餌量を目安にするのは理にかなってるのか。

ちなみに水道水の規準では、亜硝酸態窒素として0.04mg/L以下、亜硝酸態窒素と硝酸態窒素との合算で10mg/L以下となっていて、実際になんぼかは含まれているんだと。

亜硝酸濃度を目安に

自ら投入するアンモニアをこまめに測定する意味はないだろうから、主に亜硝酸の数値を目安にする。

亜硝酸が検出されはじめてから数週間から一ヶ月程度で亜硝酸が出なくなるはずで、その時点で立ち上がったと判断して良いだろう。

フィッシュレスサイクリング法では、いくら水換えをしても亜硝酸が減らないという「亜硝酸地獄」はない。

減らす必要が無いので!

これはすごいメリットだと思う。亜硝酸が潤沢だと亜硝酸酸化細菌の活性が高まり、より早い立ち上がりが期待出来そうだ。

バクテリア剤とか

バクテリア剤不要論とかあるけど、実感として有った方が立ち上がりまでの時間が早い。

なにより俺ん家の空気に含まれるわけわからん菌が水槽の中で増えるのも何か嫌だし、せっかくゼロから水槽を立ち上げるのだから選りすぐりの菌達に愛魚を守って貰いたい。

  • スーパーバイコムスターターキット
  • テトラ水リサイクル

この二つは外せない。バイコムで失敗したことがないからバイコム。他にも良いものがあるのかもしれん。

水リサイクルは脱窒菌の炭素源になり硝酸塩を還元してくれる→コケ抑制となるので、水槽立ち上げ中はとりあえず入れた方が得策だ。

段取り

こういう事は段取りさえしっかりとれば大抵うまいく行くってもんよ。

  1. 水槽とフィルタのセットアップ
  2. 中古の水槽や濾過器等は、食品添加物の次亜塩素酸ナトリウム6%溶液(ピューラックスなど)を300倍に薄めて循環させ消毒、底床と濾材は可能なら煮沸消毒
  3. 新しい水を張り塩素中和
  4. アンモニア濃度5mg/lを目安に添加、次回添加は亜硝酸の検出後
  5. スーパーバイコムスターターキットを全量ぶち込み、テトラ水リサイクル規定量を週一で添加
  6. 立ち上げからおおよそ3日後から、2日に1回程度の間隔で亜硝酸測定開始
  7. 亜硝酸の検出後、飼育水に対してアンモニア5mg/lを毎日添加
  8. 亜硝酸の数値が一向に下がらない場合は濾過不足か
  9. アンモニアと亜硝酸がゼロになれば立ち上げ完了

次回、実践編へ続くかも

コメント

タイトルとURLをコピーしました